三八九:「自身」は内にあり、「自身」は外にもある
    「自身」は前にあり、「自身」は後ろにもある
    「自身」はまことに、南にあり、「自身」は北にもあるだろう
    同じように「自身」は、上にも下にもあるだろう



詩句三八九【覚書】:★《全体の趣旨》全なるアートマン、つまり主の意識はすべてに遍満している。その主と一つになり、主の意識と同質になるなら、同じようにその魂も、すべてに遍満するようになる、つまりその魂は自由性を獲得して、特定の場所に限定されなくなる。 参考:「ブラフマンは不滅であり、それだけが東にある。ブラフマンは西にあり、ブラフマンは南にも北にもある。ブラフマンだけが下にも上にも広がり、まことにブラフマンは、素晴らしき宇宙そのものなのだ」(MUU2‐2‐11)、「それ(限界無きもの)は下にも上にもあり、西にも東にもあり、南にも北にもある、それはまさしく全世界である。このことから、アハンカーラに関して、次のことが導き出される。私(アハム)は下にも上にもあり、西にも東にもあり、南にも北にもある、それはまさしく全世界である。このことから、アートマンに関して、次のことが導き出される。アートマンは下にも上にもあり、西にも東にもあり、南にも北にもある、それはまさしく全世界である。このように見て、このように考え、このように知る者は、アートマンにおいて喜び、アートマンと戯れ、アートマンと交わり、アートマンと楽しむ。そのような者は自らの主人(スヴァラージャ)となり、全世界において自由を得る。だが、これとは別に考える者は、他の者に支配されて、その祝福は滅ぼされ、全世界において自由を失う」(CHU7‐25‐1〜2)、「かく神理を理解できれば迷妄に陥ることはない。汝は万物を自己のうちに見、すべてはわたしの中に見る」(BG4‐35)、「まことのヨギーは万物の中に主を観、主の中に万物を観る。真理を知った者は、すべての中に主を観る」(同6‐29)、「されど最高の霊我は、アルジュナよ、他心なき信愛と献身によって得られる。万物はその中に存在し、一切はそれによって遍満している」(同8‐22)。