一五四:この粗大な身体は食べ物で出来たもので
    それゆえ食べ物によって発生し、食べ物によって維持されて、食べ物がなければ滅んでしまう
    そしてそれは、皮膚と肉、血、骨、汚物の塊で
    それゆえ決して、永遠で、純粋な、「自身」ではないだろう



詩句一五四【覚書】:★《全体の趣旨》詩句一五四から詩句一六四まで、アンナマヤ・コーシャ、つまり我々の肉体について説明される。
★《この粗大な身体は食べ物(アンナ)で出来たもので》食べ物は「アンナ」と呼ばれるので、食べ物で構成される粗大な身体は「アンナマヤ・コーシャ」と呼ばれる。ちなみに現代医学では、人間の身体の細胞はたえず新陳代謝を繰り返しており、肉体を構成する細胞のほとんどは、新しく食べた食べ物によって数か月で入れ替わるとされる。それゆえそれは不安定で、一時的なものである。我々が直接に知覚できるのは肉体であり、それゆえ最も愛着を持つのは肉体で、肉体が自分という思いは容易には捨てられない。なぜならそれは長い転生の過程で心に染みついた思いだからだ。植物は水と栄養を与えないと枯れていくように、人間の肉体もそれと同じようなものである。参考:「地上の生き物は、すべてアンナから生まれて、アンナによってその生命を維持する」(TTU2‐2)。
★《それゆえ決して、永遠で、純粋な、「自身」ではないだろう》参考:「それはすべてに遍満して、自らに満足して、傷を持たず、身体を持たず、汚点はなく、光り輝き、全てを知り、全てを見て、全てを包括している」(ISU8)。